研究について

視覚玩具の研究

フェナキスティスコープを鏡に映して見る人を描いた図

ホームページにお越しいただきありがとうございます。私は、フェナキスティスコープ(驚き盤)、ソーマトロープ、ゾートロープなどなど、19世紀の視覚玩具や映像装置の研究をしている者です。

私が研究しているそれらの装置には、目の前のものがいつのまにやら何か別のものにかわってしまう、えもいわれぬ不思議さがあります。

実際の事物とヴァーチャルなイメージとの間を往復するようなその体験は何とも格別なもので、いちど味わってしまうとなかなか忘れることができず、ついうっかり研究対象に選んでしまいました。

19世紀当時の科学の論文や、それについて言及されている小説、書簡、新聞記事などを掘り起こしつつ、私自身も可能な限り装置を再現して体験し、日々研究を進めています。

感性学(史)

円筒型の視覚玩具と鳥の図像

このような装置にまつわる言説を丁寧にみていくと、当時の人々が何かを「見る」こと、あるいは感覚することについてどのような理解をしていたのかを垣間見ることができます。実際にある物と、みられるイメージとの間にズレを引き起こすそれらの装置は、自身の外部にあるはずの世界と自身が感覚するそれとの関係を揺り動かしてしまうような力を持っていました。

このような、世界とイメージとの関係性を考えさせたり、揺り動かしたりしてしまう力。これについての言説やそれらを応用した(後代の)制作を分析したり整理したりするのも、研究の一環です。

アニメーション論

夜の風景を描いたアニメーションの一場面

「映像」なるものの複数の起源に遡行するようなこの研究は、アニメーションや映画の歴史・表現を考え直すひとつの視座になるのではないかとも考えています。映像と身体との関係や、時間と知覚の関わり方など、さまざまな論点が過去の映像装置には畳み込まれています。

今は失われてしまった映像体験を通じて、現代や未来を考え直してみること。こうした試みも、さまざまな仕方で展開していきたいと考えています。

視覚玩具の制作と普及

回転盤と光源を備えた視覚玩具の制作装置

こうした研究の一環、あるいは応用として、19世紀の視覚玩具を実際に再現したり、その原理を援用した装置や玩具を制作しています。

そして、それらを作るワークショップを行ったり、展示を行ったりもしています。

視覚玩具についての言説のみならず、その実際のありさまやそれを用いるための身体技法を再現モデルを用いて検証しなおすことで、より多面的にそれらの持つ経験を明らかにしようと目論んでいます。

プロフィール

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